実況中継
今年の高校野球滋賀大会、決勝戦の開始の2時間前の彦根球場放送席です。
スポーツ実況は本当に奥が深いと実感した夏です。僕自身がスポーツ実況の入口にはいっておよそ20年。今年の夏の決勝
近江対綾羽の試合でようやく、いままでのステージをひとつ上がれた気がしました。
何が今までと違うかを説明するのは大変難しいですが、簡単にいうと、「燃えていながら、冷静さを失わない」「解説者の話がほぼ100パーセント理解できた」「いま、ここで何をいうべきか、何の話題をすべきかをほぼ的確に判断できた」。いままでは、自分がこれをいいたいという、ひとりよがりてきな実況だったのが、今年は少し、いま視聴者が何が知りたいのかを考えられるようになった気がした。
20年近くかかっている。 他局では、僕より若いアナウンサーで、僕より断然うまいスポーツアナウンサーがごろごろしてる。
ここまでくるのに20年かかる時点で、いいアナウンサーとはいえない気がする。ほんとに時間がかかりすぎた。もちろん今も別段、完成されたものでなく、まだまだ修行中である。
ただ、「滋賀の高校野球中継限定」のスポーツアナとすれば、どの局のどのアナウンサーがきても、まったく怖くない。
それは、テクニックの問題でなく、僕が、気がつけば、滋賀の高校野球の取材期間がおそらく日本で1番長い、スポーツジャーナリストであるということだ。
この大会だけでという、一過性ではなく、過去の大会の流れや、おおくの指導者の取材をもとに実況中継をしている。
これはものすごい財産である。今後の実況はこの財産をさらに生かすものとしなければならない。
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