経済と政治
世界同時株安である。底なしの状況になってきた。歴史的にみてもかなり深刻である。 最も最悪なのは、「株安から恐慌へ」移行することである。
簡単にいうと「不況」になるということである。そのメカニズムについては今月9日のブログでのべた。とにかく「失われた10年」に逆もどりするかもしれない可能性がでてきた。そんな状況はだれも望んでないはず。
世界のなかでも日本株の下落率が高い。 特に外国人投資家が日本株を売りまくっている。
この背景を日本と世界の政治家の、今回の世界同時株安についての「コメント」と比較すると少しみえてきたものがあった。
各新聞、通信社の記事から拾ってみると。まず日本・・福田総理「日本経済は底がたい。現状を冷静に把握するのがいいのではないか」 大田経済財政担当大臣「株安の基本は米国。日本で対策を講ずることは難しい」。 額賀財政担当大臣「一喜一憂する状況でない」。 谷垣政調会長「日本のきずは浅い」 渡辺金融担当大臣「日本だけが蚊帳の外ではなく、各国協調して対策を行うべき」。 僕の正直な感想。まともなのは渡辺金融大臣だけ。 あとの方は、残念ながら「人ごと」か「状況がよく認識できていない」か「見てみぬふり」ではないか。
日本のリーダーとなるべき政治家は、こういうときこそ、世界に対する「メッセージ」を発しなければならない。それが、政治家の仕事である。 以上のような、政治の姿勢が、外国人投資家が日本をみきっているひとつの要因であると思う。だって、大切な巨額のお金を、そんな国に預けたいとは思わない。(と思うのですが、経済・金融の専門家の方どうでしょう?)
では、諸外国のリーダーはどんなメッセージか。 ドイツ、メルケル首相「ドイツや欧州に景気後退の兆しはない。市場安定のため、あらゆる措置を講ずる」(投資家に冷静になれというメッセージ)。 香港唐政務長官「中国はサブプライムの影響は限定的。政府系フアンドを通じ欧米の金融機関を支援し、国際金融市場のバランスを維持する」 インド、チダム財務大臣。22日の取引中13パーセントの下落で一時取引停止になった。その時にメッセージ「インドの経済成長は今年も約8パーセントある。インド経済は成長する。投資家のみなさん冷静になってください」その後株価はあがりはじめ結局、4.5パーセントの
下落で終わる。 古い話で恐縮ですが・・1987年10月19日。ニューヨークで起きた大暴落「ブラックマンデー」のとき。時の
FRBグリーンスパン議長(日銀総裁みたいなもの)の発言「混乱と緊張の沈静化に、意味のある流動性を供給する」(まあ、市場安定のためどんな努力もする。みたいな感じか) ブラックマンデーはこのコメントをうけ次の日に収束。
竹中前金融担当大臣が、ヨーロッパの投資家に、「日本の株を買ってください」とお願いしにイギリスに行っていると、今、テレビのニュースでやってた。 竹中さん。わざわざヨーロッパいかなくても、政治的動きで買ってくれますよ。だって日本のサラリーマンは優秀なんですもの。 とにかく「改革するんだ」というメッセージ。そのために規制緩和。そのほか税制改革、金融市場改革など打つ手は山ほどある。福井日銀総裁はきょう「利上げ」を見送ったが、なんだったら「利下げ」も考えなくてならない。
大田大臣に伺います。「日本でやれる対策」いくらでもあると思うのですが・・・
確かに、東京は景気がいい。でも地方はひどく苦しんでいる。また年収の格差も深刻である。中小企業の社員の平均年収は
年々下がり続けいまや270万円だそうな。 こういう現実が見えていないと、なんとものんきなコメントになってしまう。
ぜひ、「経済」を理解し、「地方と弱者」の苦しみを感じている人に、経済・金融関係のリーダーになって欲しい。
関連記事